Essay

「すき間家具通信」<グラフィックVer.1.2>

1997年のツアーのちらし用に書いた文章です。
「ジャズを好きな人も、知らない人も、いらしてっ。」という 内容。 <テキストバージョンはこちら


別に

やけくそになって言ってるわけじゃないけど、

ジャズフルート

って、すきま家具みたいだと思う。

あの、幅20cmにすっぽりおさまる、

缶詰や調味料

をしまっとくのに便利な、

プラスチックでできている細長い引き出しみたいなヤツ。

テナーサックスだったら家具に例えればさしずめ桐タンスだろうし、

トランペット

だったら大型冷蔵庫。

本棚とか、食器棚とか、(ピアノなら

サイドボードってところかな)

まだまだ素敵な家具は、たくさんあるけど、

ジャズフルートは、そのすきま家具なの。

所謂ジャズの、カルテットにしても、クインテットにしても、

メインはサックスやブラスで、フルートなんかせいぜい持ち替えの楽器だもんねー。

あっ、やっぱりすね

てるかもしれない。

でも、

ファンキー末吉と飲んでてそんな話をしたら、
「すき間家具、いいじゃない。」

そうだよねー(あっという間にその気になるわたし)

うちなんか狭いし、でっかいタンスや大型冷蔵庫もおよびじゃないし、

押し入れ用のプラスチックのタンスなんか重宝してますもん。

ジャズフルートはまだその奏法

が確立されてないと私は思うのだけれど、

その分逆にいろんな方法が

考えられるし、やりがい

もあるのだ。

ジャズを広義に、インプロバイズド・ミュージック
つまり即興演奏として捉えてみると、
フルートの音色の持つ可能性はすごく広がってくる。
たとえば童謡や、民族音楽のメロディーをモチーフにしてみるとか。

ブラジル音楽や

ボサノバはもうフルート吹いてて良かった、生きててよかったなんて思っちゃう。

他には、ある種のジャズの曲、ピアニストやギター奏者

による曲は、

サックスやトランペットよりも

フルートの方が

しっくりくるものがあって、それを探してみる。

フルートは風の様な透明感

のある音色なので、

叙情的な色合いのものは

マッチするようだ。

面白い、と思ったことは、なんでもやってみる。

変な曲作ってひんしゅくを

買ったり喜ばれたり(ウケてるだけか?)してるし。

ただし狭義な意味での、いわゆるジャズはライブでは必ずやります。

それはわたしのカルマ

だから、な〜んちゃって。・・・

4ビートはどうしても、どうしても好きだし、
一緒に演奏している仲間とのコミニュケーションが最も深くなる瞬間があって、

それを

スイングしてる、

グルーブしてる、などというのですが、

要するに何だかすごく心地良いところへ奏者も

聴衆も

連れていかれてしまう時があるのですってば。

すごく古い(わたしは煙が出そうに古いといったりしている)

エリントンの曲なんか吹くと、ちょっとミスマッチ

かもしれないけれど

これがどうして中々面白かったりして、ジャズって本当に良いですねー

と思うのです。

音楽に余計な説明はいらない、と、わたしは思っています。
じぶんなりに楽しんで(悲しんででも、せつなくなってでもいいけど)聴くのが一番。
でも、ジャズフルートに固定観念をもっているひとがいたら、
もっと良い意味でいい加減に聴いてほしいし、

ジャズ?何となく知ってるけど

難しそう・・・と感じている人には、

もうぜひ

、なんとなく来てみたよっ、てな気分で聴いて欲しいです。

えー、そんなわけで、このたび、

「すきま家具通信」を発行することにいたしました。

興味をもっていただければ、と思っています。

そしてぜひライブにいらして、ナマの演奏の面白さに触れて

みてください。


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