テーマ『2年目以降の洋ランの咲かせ方』
《カトレアの場合》
カトレアは中南米に自生する着生蘭。着生蘭とは木の幹や枝に着生する植物で、カトレアに関しては冬期最低15℃以上の処では少しは生育するが、7℃位の処では殆んど成長しない。一般的な栽培では春に生育が始まり、夏の間盛んに伸長し、秋が深まるにつれて生育が鈍り、秋の終りには殆んどが休止期に入る。
成長期に入ったかどうかは、新芽や新根が出てくるのでわかる。
春、新芽が出てきて夏にはどんどん大きくなる。夏の中頃からは葉のつけ根の部分にシース (花鞘) と呼ばれる葉のような緑色をしたものが現れる。これは花芽を保護するためで、花芽はこのシースの中につく。ただし、シースが出たからすぐに花芽が形成されるとは限らず、品種の花期に応じて花芽が形成されるから手持ちのカトレアについては、花期を覚えておくと良い。1月咲の品種が8月にシースが完成したから花芽が形成されることはまず無い。あせらず時期を待つ以外方法がない。
( 管 理 )
§施肥・・・新芽が1〜2cm生長し始めると1500倍位の液肥を週に1回
の割合で与え、少したってから有機肥料 (油粕・骨粉の両給され
たもの) を与える。カトレアは着生蘭なのであまり肥料を必要と
せず、置肥は1回位。液肥は7〜8回位でよく、7月中旬には施
肥を中止する。
§潅水・・・生長期は (6〜8月) は充分に水を与える。しかし、植込材料の水
苔の表面が湿っているのに、生長期だからと言って水を与えると
根腐の原因になる。水苔の表面が充分乾いてから与える。指先で
押し、乾湿の具合を確かめるのが一番よい。初冬から休止期に入
るので潅水は控え目にする。控え目とは、1回の潅水を少なくす
ると言う事ではなく、潅水の回数を減らす事。最低10℃位なら
冬期7〜10日に1回位でよい。
§日照・・・5月下旬から50%遮光。9月中旬か9月下旬になれば遮光ネッ
トを外充に光線を与えてやる。ただ、良く晴れた日にこれをやる
と葉をやく恐れがあるので曇天若しくは雨降りにする事。完成期
に向う時期、充分光線を与えて光合成を促進し、より完熟を促す。
葉は表面からは光と、裏面からは空気を取り込むようになってい
るので表面に光を当てるようにする。
《シンビジュームの場合》
シンビジュームは、日本を含めて中国、台湾、東南アジア、オーストラリアにも自生する半地生蘭です。半地生蘭とは、1部は着生・1部は地上に堆積した落葉が半ピート状になった処に自生している植物です。時々、土砂で植えてあるのを見かけるが絶対よくない。用土は水苔、ピートモス等でも良いが、軽石混りのシンビジューム専用土が市販されているのでこれを使うと良い。
比較的低温に耐える種属で、最低5℃もあれば枯死する事はないが、開花の時期がずれ、春の新芽のスタートが遅れてくる。春出た新芽が夏の終りまでに7〜8枚、長さで40〜50cm位になっているとこの芽の内部で花芽が作られる。ある程度まで大きく生長させないと花芽がつきにくい。そのために5〜6月頃、やたらに出てくる新芽をリードバルブ2ケを残して後は全部欠き取ってしまう事が絶対必要。
( 管 理 )
§施肥・・・シンビジュームは肥料を好みます。集中的にたっぷりやらないと
効果はない。新芽が4〜5cmに伸びて来た頃 (5月上旬) 6号
鉢なら親指大の固形肥料5〜6ケ与え、1週間に一度、1000
倍位の液肥を施す。固形肥料は1ケ月もすると効果が薄れるので
新しい物と取り替え、6月下旬・7月上旬には施肥を止める。
だらだらといつまでも肥料をやっていると葉ばかりが茂って花
はつきにくい。
§潅水・・・生長期は水を好む。5月〜9月は充分に与える。植込材料の表面
が乾いたら底の鉢穴から水が流れるほど充分やる。若し、乾き切
っていていくら上から潅水しても内部にしみ込まない時は、バケ
ツに水をはり、その中に3分程鉢ごとつけると良い。関西の夏は
熱帯夜が続き、シンビジュームにとって受難の日々だが、夕方周
囲にも水をまき、通風をよくして夜間湿度を少しでも下げる工夫
が大事。
§日照・・・4月中旬 曇天または雨の日に戸外に出してやる。遮光なくても
大丈夫。シンビジュームは直射日光か、それに近い日照が6時間
以上当てないと株は充実せず、花芽がつかない場合がある。少し位
葉先がやけても出来るだけ直射日光に当てるようにすること。花が
咲かないよりは、葉先が少しやけても咲いてくれた方が楽しい。
※ シンビジュームは水と日光と肥料を好む。芽吹きをする事。7月初には肥
料停止。秋、慌てて室内に入れずに低温にあててやる事。
《デンドロビュームの場合》
デンドロビュームは日本を含め、東南アジア、フィリッピン、インド、オーストラリアに広く自生する着生蘭。比較的低温に強い植物で栽培は容易だが、下部からビッシリ花をつけるのは難しい。春になると直立した茎の基部から新芽が伸び、秋まで生長し、秋の中頃に生長が止まって太りはじめる。前年生の茎についていた葉は落ち、茎だけの姿になるが、この茎の節目から花芽が出て、冬から春にかけて開花する。
( 管 理 )
§施肥・・・新芽が2cm位伸びた時から1500倍位の液肥を施す。また、
4〜5cmになった時から新根が伸びはじめるので、油粕・骨粉
の混じった固形肥料を与えて生育を助ける。固形肥料は1回だけ
で良いが、液肥は1000倍位のものを週1回、6月末か7月上
旬まで与えると良い。生育期のピークは8月だが、いつまでも施
肥を続けると株ばかり出来て高芽になり、花がつきにくい。
§潅水・・・常に空気中に根を露出している植物だから常時水に濡れているの
を嫌う。春から初秋まで (生長期) 植込材料 (主として水苔) の
表面が白く乾いたら与える。冬は水苔の表面が白っぽくなってか
ら更に2〜3日おいて与えるのが良い。乾かし気味にする事が必
要です。秋の中頃から初冬にかけて、水が多いと高芽になる可能
性が高いので潅水に注意する事。秋の長雨は根腐りの原因になる
ので、雨にあてないよう軒下に入れる。
§日照・・・光線は好みます。最低温度が10℃にもなれば戸外に出しても大
丈夫。曇天の日に出してやると葉やけを起こす事はない。極く日
照を好む植物で、4月下旬か5月上旬より10月の間、充分に日
光に当ててやる。遮光は必要なし。真夏の直射日光にも殆んど葉
やけは起きない。
※ 充分な光線。7月初旬で施肥停止。初冬急いで室内にとり入れる事なく、低温にあててやる事が大事。
《ファレノプシスの場合》
ファレノプシスは胡蝶蘭の和名でも知られている洋蘭で、中国、台湾、東南アジア、フィリッピン、ニューギニア等に自生する着生蘭。春になっても新芽は出ず、新しい葉が出てくる事で生長期に入った事がわかる。1年間に2枚位づつ出て重なるようになる。初夏から秋までが生長期で、冬は普通、生長を休止する。しかし、冬でも最低温度が18℃以上を保てる処なら休止する事なく少しづつ生長する。普通、室内で栽培した場合、生長の始まりが遅く5月中旬頃から新葉・新芽を出しはじめ、夏から中秋までが最も生長の盛んな時期になる。
この期間中に肥料と水をたっぷり与える事が必要。
( 管 理 )
§施肥・・・気温が20℃以上になって初めて生長するから、早くから施肥
しない事。10℃位で越冬した株ならあまり早く肥料を与える
と根を傷め、枯らす事にもなりかねない。生長が始まると週1回
1000倍位の液肥を中秋まで水かけ代りに与えると良い。生長
期は比較的肥料を好むから1回位の固形肥料なら良いが、再三与
えると葉が大きくなりすぎ、冬の置場に困る事がある。加温の設
備があり、最低18℃を保てる処なら、冬期1500倍位の液肥
を与えると良く出来る。
§潅水・・・生長期には充分与えてやる。夏はぐんぐん生長して新しい葉がで
きるので水は沢山与えた方が良い。しかし、晩秋以降は水を控え
目に。水苔の表面が白く乾くと潅水。生長休止の冬は根が水を吸
う力が弱いので、白く乾いてから、尚、3〜4日して水を与える。
その間、葉に霧をかけ葉面からの水分蒸発を抑え、室内の湿度を
保つようにする。
§日照・・・日光を好むが弱光であって強光線は嫌う。外温が上昇する5月〜
10月初め頃までは風通しの良い戸外で、50%〜60%位の遮
光で作ると株はしっかり出来、花もつきやすい。
※ 慌てて戸外に出さず、遅くまで戸外に置かない。冬季の温度管理さえ上手く出来れば蘭類の中でも花はつきやすい。