「メルヘンの世界」
平成14年2月16日 中西正勝
私の体験談です、皆さんのご参考になればとおもいます。
ご多分に漏れず皆さんのように、手術を受けました。
静脈瘤切除術です。長年にわたり、両足に(膝からくるぶしにかけて)静脈瘤ができておりましてこれが足の血液の循環を悪くしておりまして、炎症を起こしておりました。特に女性に多い病気で、立ちずくめや力仕事が原因のようです。足の表面の血管の逆支弁が機能しなくなるために血管が蛇行してしまう病気です。そのために血液の循環が悪くなります、結構痛みが有るそうですが私には有りませんでした。治療としては、ドイツ製の圧縮ソックス(1万円保険外)をはいて足を外から締め付けて逆流を止める方法、切除、がありますが。私は切除を選びました。いつまでもストッキングをはくのは嫌だからです。
ここからは主治医の受け売りです。
足の静脈は90%が筋肉内を走っていて皮膚には10%くらいがあるそうです。当然筋肉内の血管は筋肉に包まれていてこのような静脈瘤になることはありませんが、皮膚では血管が浮くようです。これをとってしまってもまったく問題はないそうです。一月ほどこの難儀なソックスをはいていました、そうすると足が軽くなり炎症も治まってきました。しかしこれを取るとまた同じこの繰り返しになるようです。筋肉内の静脈と皮膚の静脈とは有る位置でつながっています(バイパス)ふくらはぎ膝関節の内側、そして太ももの付け根付近です。ですから、ここのバイパスの流れを止めて、皮膚表面の血管を摘出します。内臓の開腹手術では有りませんからそんなに心配しなくてもいいと聞きました。2泊3日で退院できました。当日退院することも可能と聞きました。
これからは私の体験談です。12日の午後3時に入院しました。早速レントゲンの検査です。造影剤をくるぶし付近から注射して左右各4枚ほどの写真をとりました。筋肉の中の2本の血管は太くて立派でまったく問題がありません。と言われてほっとしました。しかし、バイパス付近から皮膚へ出たところで血管が蛇行しています、これが静脈瘤で
あちこちにあります。まず3箇所のバイパスをクビッテ血流を止めます、それから、足首から、足の付け根の血管を引き抜いたり、摘出したりします。この手術を両足にしました。さて、麻酔の問題です、局所麻酔、脊髄麻酔、静脈麻酔があります。局所麻酔は結構痛いらしい。脊髄麻酔は腰の脊髄に2本麻酔を打つが2回ほどグッキ!とする、しかも本当に下半身の感覚がなくなります、盲腸で経験がありましてこれはあまりやりたくない。静脈麻酔は全身麻酔で完全に失神状態、下手をすれば意識が戻らない事故も聞いています。怖かったのですが静脈麻酔に決めました。
13日の13時からのオペで不安がさらに増加しました、しかし、もうまな板の鯉。13日の午前8時から剃毛です。さてどんな看護婦がくるのかな?中々の美人であるが、どうも40くらいの人です。この病院では看護婦の年齢を半分も偽っているようです。キャバレーよりひどいや。臍の下から足の先まで剃ります。これで60分は費やしました。それからお風呂です。ゆっくりどうぞ!で送り出されました。つるつるの息子はあわれなものです。結構剃りのこしがありました。これを剃っていくうちに少し傷がつきまして、血が出ました。バンドエイドで止血をしました。この後に主治医が来まして、血管のマークをします。このときにバンドエイドで傷に気がつき、俺より先にオペしやがったな!・・結構冗談のできる先生です。マジックインクで血管の位置をなぞっていきます。足が編みタイツを履いたようになります。その後パッチテストを2種類します。これも結果OKです。11時30分から点滴が始まりました。2種類の点滴です。12時30分に筋肉注射を2本・・これは痛いよ!の予告がありました。それから、いよいよオペ室に入ろうとしましたが、まだ早いとの事でトイレに行くように指示されました。オペの最中は結構尿がでるようです、しかし気が付いたら尿管が挿入されていました。さていよいよベッドの上です、結構狭いベッドです。さらに点滴材を2−3用意されていました。その点滴材が注入されたようです。頑張って起きていてやろうと思っていましたか、とたんに失神してしまいました。それよりメルヘンの世界に入ってしまいました。縦横2m長さ3mくらいのきれいなタイルの部屋です。私はそこでうつ伏せに中に浮いた格好をしています。部屋全体はナトリウム色の明るい照明です。そしてタイルは幾何学模様のカラフルな模様が一面に見えます。・・??これが玄室なか?そのように思いました。音楽が鳴っています。リズム感のいい音楽です。
クラッシクではなかった。ひょっとしたら、死後の世界への入り口がこのような事の始まりなのかもしれないね、知っている人に招かれたら逃げ出そうと決心しました。
美しいオーロラのような場所(オーロラは見たことはありませんが)で気持ちの良い音楽がなっています。急に加速して大きな空間に出ます。よく見るSFの世界そのままです。
時間の経過がわかりません、最近の医療は患者に苦痛を与えないようにこのように幻想をみせてリラックスさせるのかな?医学も進んだものだと感心しましたが、確かこのオペ室に入ったときにはスピーカーなんてなかったが。???の感じでした。
ふと意識が戻ってきました、先生方の声が聞こえてきました。「看護婦はどこへ行った?」
男の声で「トイレです」おやおや、おれのオペの最中にションベンに行くか!と思いました。声を出しました、そして、手の指を動かしました、さらに足の指も動かしました。
すると頭の上で「先生!麻酔が切れてきました」「***を準備!」の先生の指示がありまして、オペ終了まで意識がありませんでした。午後6時にはオペ終了。しかし、8時ころまで覚めなかったようです。ここで不思議なことがありました。意識は戻ってきましたが見えるものが静止画です、動画にはなりません、また、左右の映像がタイムラグで別々です。
まだ視覚脳部が機能していないな?と思いました。しかし思考能力はしっかりしてきています。
言葉のロレツが回りません、本当に酔っ払いの言葉になっています。判りますか?の質問にうなずいてやっと覚めましたが、また、眠ります。それを2,3回繰り返したようです。午後10時頃に完全にさめました。遅くなったのでこの日は入院をしました。術後15分おきに検温と血圧の測定をしていたようです。この処置も後から理由を知りました。
院内感染の対策のようでした。これは後述します。さて、傷の手当ての方法が今までと違います。傷口を消毒して、上からシリコンスプレーをかけてコートします。これで抜糸まで傷口の消毒はありません。抜糸の21日に来てください。それで退院でした。ここまでの文章は麻酔の中での記憶であり当然誤解や錯覚もありますので、誤解のなきようにしてください。
次に院内感染についてです。
この記事が2月16日の朝日新聞にありました。ご紹介を兼ねて書き込みます。